文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業
ドキュメンタリー映画
渓谷。その奥へ! 渓谷下りの達人たち
監督 松原 保
製作・著作 パワーアイ
2022年9月3日(土)から
9月9日(金)
1週間限定公開
大阪・十三 シアターセブン
TEL:06-4862-7733
※上映時間は劇場にお問い合わせください
上映時間:78分
この映画について
近年注目を集めているヨーロッパ生まれのスポーツアクティビティ、キャニオニング。
究極の川遊びとして、日本でも愛好者が増えている。アジアで唯一国際キャニオニング協会のインストラクター資格を持つ田中彰(以降アキラ)。子供の頃に夢見た探検家の道を目指していたアキラは20年前にキャニオニングと出会い、人生が変わる。
アキラにきっかけを与えたニュージーランド人のマイク・ハリス。キャニオニングを全国に普及させ、日本にアドベンチャーツーリズムを根付かせようとしている。この映画はまだまだ知られていないキャニオニングをアキラが主催する渓谷ツアーに密着同行して、その魅力を伝えるスポーツドキュメンタリーです。
主人公紹介
田中彰。49歳。1972年兵庫県淡路島にて種屋の長男として生まれる。
小学生の時に見たテレビ番組「川口探検隊」に憧れ、いつの日か誰も行った事が無い未踏の地に自分が初めて足を踏み入れたいと思うようになった。その思いは関西大学入学後に探検部に入部することで、さらに加速。「人間が樹上を移動し、1か月間暮らすことは月に行くことよりも難しい」と言われ、長期間の樹上生活に挑戦。アフリカ・マダガスカルの樹上で4人の仲間と共に、一ヶ月半もの期間一度も木から降りず暮らした。
大学卒業後は、限界集落のひとつ、高知県大豊村にある築200年の古民家に一人で住みながら、川下りが盛んな四国の吉野川でラフティングのガイドを始める。20年前、ラフティング仲間を通じて、ニュージーランド人のマイク・ハリスと出会い、初めてキャニオニングを体験。日本では誰も始めていなかったキャニオニングの面白さに魅了されていった。2017年に世界で9人目、アジアでは初めての国際キャニオニング協会(CIC)認定インストラクターに合格する。
キャニオニングという新しいスポーツの魅力を伝え、アウトドアのツアーガイドで稼いだ資金を元手に、世界に残された未踏の渓谷や秘境への遠征を繰り返す。「自分だけの道」を開拓し夢を追い続けている。
キャニオニングは
地方再生の救世主となる
可能性を秘める
コロナ禍にあって、アウトドアの人気はうなぎ登り。夏場にキャンプと共に楽しめ、清流の中に身をおくキャニオニングは今や全国各地でツアーが開催されるようになった。田中の盟友であり、日本に初めてこのスポーツを紹介したマイク・ハリス。20数年前、群馬県みなかみ町にキャニオニングやラフティング専門のツアー会社を設立した。
みなかみ町は奥利根川の急流沿いにある温泉町であったが時代と共に観光客は減少の一途をたどる。周囲に自然が残されたみなかみ町は、気軽に楽しめるキャニオニングツアーには絶好の場所。新聞やテレビにもその様子が取り上げられ、マイクが始めたキャニオニングは町興しの有効な手段として一躍脚光を浴びる。
瞬く間に東京からツアー参加者が増え、お陰で町も潤うようになった。そこから飛び火して全国各地でキャニオニングのツアーが開催されるようになった。しかし、技術と経験が浅く、限られた渓谷しか知らないガイドでは、予期せぬ自然の驚異が起きた場合、対処できないことをマイクも田中は感じている。キャニオニングをさらにしっかりしたポジションにするためには、技術と安全の両方を備えたガイドの育成が必要になる。
安全にキャニオニングを楽しみために、映画ではリスクマネジメントの観点も取り上げた。さらに普及していくための課題も多く残されている。